こんにちは、AthleteBodyです! フィットネス関連の情報をメルマガでお送りしています。今回は「事前疲労法」というトレーニング方法について紹介します。「プリイグゾースト」という名前で呼ばれることもあります。 「肉体改造のピラミッド」では取り上げなかった方法で、ちょっとマニアックかもしれません。 事前疲労法とは読んで字のごとく「筋肉を事前に疲労させる方法」です。一般的にはコンパウンド種目の前に、アイソレーション種目を1セット行う形が多いです。 例えば、上腕三頭筋の筋肥大を重視したい場合に、まずトライセッププッシュダウンを行って、次にベンチプレスを行うようなスタイルが考えられます。 これまでに事前疲労法に関連する研究はいくつか行われているのですが、確実に狙った筋肉の筋肥大効果が高まるという結果は得られていません。 例えば、2019年に行われた研究では、レッグプレスの前にレッグエクステンションを1セット追加しました。そして、レッグプレスだけを行った被験者と比較したところ、筋肥大効果に目立った違いは見られませんでした。 レッグエクステンションを追加したことで、大腿四頭筋のトレーニング量は増えますが、同時に疲労も出ます。これがレッグプレスに影響を与えて全体でのトレーニング効果は似たようなものに終わったのかもしれません。 2024年の研究ではセット数が揃えられましたが、やはり筋肥大効果に違いは見られませんでした。ただ、事前疲労法を行った被験者の方がトレーニングをキツいと感じていたようです。 事前疲労法を行う場合、アイソレーション種目の後すぐにコンパウンド種目に入るのではなく、少し休憩を入れる方が良いかもしれません。息を整えて、集中力が戻ってからコンパウンド種目に入るようにしましょう。 また、トレーニング種目の組み合わせ方によって刺激に違いが出るかもしれません。例えば、上腕三頭筋を対象とする場合、アイソレーション種目の選び方や、ベンチプレスの手幅によって肘の可動域の使い方が変わります。これは事前疲労法に限ったことではありませんが、効果に影響を与える可能性があるので考えてみると良いでしょう。 ちなみに、AthleteBodyのパーソナルコーチングで事前疲労法を積極的に取り入れることはありません。これはプロとして指導させていただく立場で、クライアントさまの目標達成に効率的だと確証を得にくいからです。 とは言え、休憩の取り方やトレーニング種目の組み合わせを押さえると、プログラムに変化を付けるツールとして取り入れる場面があっても良いのかもしれません。ちょっとした気分転換や試行錯誤の一環として、トレーニングが楽しいものになれば良いですよね! このメルマガが役に立つと感じられたら、お知り合いに紹介いただけると嬉しいです。コチラから登録可能です。 では、次回のメルマガをお楽しみに! |
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こんにちは、AthleteBodyです! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は食事制限が筋肥大に与える影響に関するお話です。 体脂肪を落とすためにはカロリー収支をマイナスにすることが必要です。しかし、カロリーが不足すると体脂肪だけではなく筋肉が分解されてしまう可能性もあります。 このメルマガを読んでくれる人は筋トレを頑張っている人が多いかと思います。体脂肪は落としたいけど、筋肉は落としたくないのが減量の悩ましいところです。 食事制限が筋肉に与える影響に関する研究が行われていて、2021年には過去の研究をまとめた論文が発表されました。 この論文によると、カロリー収支のマイナス幅が大きくなるほど筋肉が失われやすくなるようです。逆に言うと、カロリー制限を小さくすると悪影響は少ないということです。 △ 過去の研究結果のまとめグラフ このデータを見ると、カロリー収支のマイナス幅が500kcalを超えると筋肉を維持するのが難しくなるようです。...
こんにちは、AthleteBodyです! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 ドロップセットは、セットの終わりに休憩を取らず、重量を下げてすぐに次のセットに入るトレーニング方法です。比較的広く知られている方法なので、実際に試したことのある人も少なくないかと思います。 一般的にドロップセットはセット終盤に追い込む方法として使われるイメージが強いかもしれません。 肉体改造のピラミッドでは、ドロップセットに関する研究を紹介して、筋量や筋力アップ効果に目立った違いはないものの、時間効率が高いのがメリットだとお話ししました。ドロップセットではセット間休憩を取らないからですね。 その結論は変わらないのですが、ドロップセットについて新しい研究を紹介しながらもう少し考えてみたいと思います。 2022年にドロップセットに関する過去の研究データをまとめた論文が発表されました。一般的なセットの組み方とドロップセットを比較したとき、全体のトレーニング量が同じであれば、やはり筋量や筋力への効果に目立った違いはないという結論になりました。...
こんにちは、AthleteBodyです! フィットネス関連の情報をメルマガでお送りしています。毎週金曜日、おもしろい研究やマメ知識を配信します。ぜひお付き合いください。 前回はトレーニング量と効果の関係について、過去の研究データをまとめた論文を紹介しました。 一般論として、トレーニング量が増えると効果も大きくなります。ただ、トレーニング量が増えると疲労や所要時間が大きくなるというデメリットもあります。 △ 肉体改造のピラミッド P.44より 前回のメールで特にポイントだったのが、過去の研究データをまとめて分析すると、1週間に各部位4セットくらいから筋肥大効果を期待できるということでした。 特に筋トレを始めて間もない人の場合、小さな刺激でも筋肥大が起こりやすいと言えます。言い換えると、筋トレ経験を積んで筋量が増えてくると、そこからさらに筋肉を付けるには刺激を強める必要があるはずだと考えられます。 しかし、中級者や上級者の場合、どの程度のセット数が良いのかは明確な答えがありません。今回はこれを考える材料を紹介します。...