筋トレ科学:筋肥大には何セット?最新の知見|AthleteBody


こんにちは、AthleteBodyです!

フィットネス関連の情報をメルマガでお送りしていこうと思います。毎週金曜日、おもしろい研究やマメ知識を配信する予定です。ぜひお付き合いください。

今回は筋肥大のためのプログラムについてのお話です。

このメールを読んでくれている中には、筋トレをしていて、筋肉をつけたいと考えている人が多いかと思います。

確実に筋トレの成果を得るためには優先順位があって、最も重要なのは「継続すること」です。これは「肉体改造のピラミッド」で解説した通りです。まだの方はぜひ読んでみてください。AthleteBodyの自信作です。

基本的には良い筋トレを続けていれば、自然と筋肉がついて成果を感じられるはずです。ただ、できるだけ効率的に前進したいとなると、目的に合ったプログラムを考える意味が出てきます。

そこで、今回はプログラムの要となる「トレーニング量」について、2024年の研究を紹介します。この論文では過去の研究データをまとめて効果が分析されました。

そして、1週間に部位あたり30セットを超えるあたりまで効果が伸びると報告されました。

この数字は新しい知見としておもしろいのですが、これをこのままトレーニングに取り入れるのが良いかは別問題です。

重要なポイントとして、毎週30セット行わないと筋肥大が起こらないわけではありません。この論文では、4セットから明確な筋肥大が確認されたと報告されています。トレーニング量が少なくても筋肥大は起きるのです。

4セットからトレーニング量を増やしていくと効果は大きくなるのですが、例えばセット数を5倍にしたからと言って効果も5倍になってくれるわけではありません。

トレーニング量が増えると筋肉への刺激が強くなります。この刺激で筋肥大が起きるのですが、同時に疲労も強くなります。疲労が蓄積すると怪我のリスクが高くなったり、仕事や日常生活に悪影響が出たり、精神的に燃え尽きてしまったりといった心配が出てきます。

トレーニングで確実に成果をあげるのに最も重要なのは「継続できること」なので、続けられなくなっては本末転倒です。

もうひとつおもしろいのが、セット数を増やすと筋肥大効果が伸びると言っても、セット数による影響は筋肥大効果全体の1/4程度にとどまるようです。つまり、セット数を増やさなくても、他の部分に3/4の伸び代が残っている可能性があります。これは、重量設定、追い込み方、種目えらび、食事量、たんぱく質量、睡眠、ストレスといったことです。

トレーニングを始めて間もない人や、健康維持のためにジムに通っている人は、ご自身が無理なく続けられるセット数を優先してもらうのが良いでしょう。そういう意味で、1週間に部位あたり4セットで効果が確認されているのは良い知らせだと言えます。

自分の限界ギリギリまで追求したい人には、まずご自身が実際に継続できるトレーニング量を考えてみていただきたいです。AthleteBodyのコンテスト選手は特に減量期間にトレーニング量を抑えて成果をあげる人が多いです。

今後もいろんな話題を紹介していきたいと思います。ただ、プログラムづくりはたくさんの要素が絡み合うので、メールですべてを解説することはできません。もっと詳しく知りたいという人は、ぜひ「肉体改造のピラミッド / トレーニング編」を読んでみてください。きっと頭の中がスッキリした気持ちになってもらえるはずです。

このメルマガが役に立つと感じられたら、お知り合いに紹介いただけると嬉しいです。コチラから登録可能です。

では、次回のメルマガをお楽しみに!

AthleteBody.jp

筋力トレーニングや食事管理について科学的根拠に基づく情報を発信をしています。メルマガでは、新しい記事の更新情報やAthleteBodyが提供するサービスに関するご案内をお届けします。

Read more from AthleteBody.jp

こんにちは、AthleteBodyです! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。今日のトピックは、毎日たくさん歩くと長生きできるというものです。 このメルマガは主に筋トレに関わる情報を扱っていますが、今日は歩く量です。 歩数と死亡リスクの関係を調べる研究が行われていて、2021年に過去のデータをまとめた論文が発表されました。そして、歩く量が増えるほど死亡リスクが下がるという分析結果が示されました。 △ 実線が死亡リスク 今回のデータでは、最も歩く量が少ない場合が1日2700歩です。そこから1日16000歩くらいまで、1000歩増えるごとに12%ほど死亡リスクが下がります。そして、2700歩を16000歩と比べると死亡リスクが約200%も高いということになります。 今日は研究データの性質的に、死亡リスクが何%という表現を使います。200%と言ってもピンと来ないと感じた方は、「数字が大きいほど健康に悪い」と考えてもらうといいと思います。...

こんにちは、AthleteBodyです! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマはレッグエクステンションのフォーム比較です。レッグエクステンションはマシンの構造によって2種類に分類できます。 一般的なのは画像左の「座るタイプ」です。マシンに座って、上半身がほぼ直立した姿勢でヒザを動かします。ただ、一部には画像右の「寝るタイプ」もあり、上半身を少し寝かせた状態でヒザを動かします。 2024年の研究では、この2種類のマシンを比べて、効果に違いがあるかが調べられました。 10週間のトレーニングのあと大腿四頭筋の厚みを調べたところ、寝るタイプの方が大腿直筋の筋肥大効果が大きいという結果になりました。 △ 筋肉の厚みの増え幅 この2種類のマシンでポイントになるのが、股関節の角度です。 一般的な「座るタイプ」では、上半身を直立させるため股関節が約90°ほど曲がった姿勢になります。 それに対して「寝るタイプ」では、股関節が伸びて約40°ほどの角度になりました。...

こんにちは、AthleteBodyです! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日はスクワットのフォーム比較です。バーベルを使ったスクワットには大きく分けてバックスクワットとフロントスクワットがあります。 △ 筋肥大効果に差はある? バックスクワットはトレーニングの王様と言われます。下半身から体幹部までたくさんの部位を一度に刺激できるのが特徴ですが、筋肥大という意味では主に大腿四頭筋の種目として扱われます。 フロントスクワットは実践している人が少し少ないでしょうか。大腿四頭筋を鍛えるには特に有効な種目と言われます。 今回紹介する研究では、この2種類のどちらの方が大腿四頭筋の筋肥大に効くか調べられました。 被験者をバックスクワットを行うグループとフロントスクワットを行うグループに分けて、12週間トレーニングをしてもらい、大腿四頭筋の厚みを測定しました。 △ 大腿四頭筋への効果は同じ...