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こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は増量期のトレーニング量についてお話しします。 だんだん涼しくなってきて、増量期に入った人も多いかと思います。 筋肥大を目的とする場合、トレーニング量が特に重要になります。基本的にはトレーニング量が多い方が筋肥大効果も大きくなります。 ボディビルなどの世界で活躍する選手を見ると、ものすごい量と強度のトレーニングをこなしている話がたくさん出てきます。 これに関する新しい論文が2024年に発表されました。筋肥大効果を高めるためにどの程度のセット数が必要かを分析し、以下のような結果が報告されました。 4セットから筋肥大効果が確認され、セット数が増えると効果も大きくなりました。 ただ、セット数を増やすと効果が直線的に伸びてくれるわけではありません。 上の表の数字を見ると、筋肥大効果を2%から6%へと3倍にするには、セット数は4.5倍必要で、効果を5倍にするには10.5倍のセット数が必要ということになります。 さらに注意したいのが、トレーニング量が増えるほど心身にかかる負担も大きくなるということです。 今月のボディビル道場セミナーでこのテーマを取り上げたのですが、その中でAthleteBodyコーチの大林の経験談がありました。 大林はトレーニングを人生の中心に置いている人間で、「ボディビル選手として成長するためなら何でもやる」というマインドを持っています。 2018年の増量期には最大限にトレーニング量を増やしたところ、ベンチプレスが100kgから150kgまで伸びました。たしかに効果はあったのですが、無理がたたって肩関節を亜脱臼してしまい、いまも肩トレーニングに影響が残っています。 2022年にはコンテストに向けて限界までトレーニングを続けました。結果として、ANNBBFの全日本選手権優勝という目標を達成することができました。 しかし、このコンテスト挑戦で心身に強い負担をかけたことで、適応障害という精神面での不調を発症してしまいました。頭を使う作業で集中力が出にくくなったりする症状があり、いまも無理がきかない生活が続いています。 肩の怪我も精神面の不調も、トレーニングで全力を出せないことにつながります。 大林は不調を感じ始めたとき、「甘えてはいけない」と考え、休むことなく自分を追い込みました。 数ヶ月のスパンなら、そういうやり方で成果を出すことができるかもしれませんが、長い目で見ると遠回りになってしまう可能性があります。 こういった経験から、大林は「絶えず100%を追い求めず、70%くらいの生活をコツコツ続ける」というスタイルを勧めています。 ボディビル道場では鈴木雅さんに加わっていただいていて、このテーマに関してご意見をお聞きしました。 鈴木雅さんはご自身の指導の中で、「日本一になる」といった最終目標だけでなく、短期の小さな目標を設けることを勧められています。 遠くに大きな目標を設定すると、そこに最短で到達したい気持ちが強くなり、無理をしてしまう選手が多いということです。 トレーニングを仕事としている人も、趣味としている人も、心身ともに健康であってこそ続けることができます。 増量期に入って、自分を壊してしまわないトレーニングとの付き合い方を考える材料にしてもらえれば幸いです。 では、また次回のメルマガで! |
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こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日はデッドリフトのバリエーションについてお話しします。 ヘックスバーというトレーニング用品をご存じでしょうか。六角形のバーベルで、主にデッドリフトに使われます。トラップバーと呼ばれることもあります。 ヘックスバーを使ったデッドリフトでは、自分が六角形の中に入ってウェイトを引き上げます。 通常のデッドリフトとの一番の違いは「身体に対するウェイトの位置」です。 通常のバーベルではウェイトが身体の前に来るのに対して、ヘックスバーでは身体の横に来ます。これによって負荷のかかり方が変わります。 通常のバーベルとヘックスバーでデッドリフトを行ったときの負荷のかかり方を比較した研究があり、以下のような結果が報告されました。 △ ヘックスバーはヒザを使う どちらのデッドリフトも股関節と脊柱に大きな負荷がかかり、ここには大きな違いがありませんでした。明確な違いが出たのはヒザで、ヘックスバーでは通常のバーベルより負荷が大きくなることが分かりました。...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日はハムストリングの鍛え方についてお話しします。 ハムストリングは股関節を伸ばす動作とヒザを曲げる動作で使われます。 そのため、ハムストリングを鍛える種目も大きく分けて2つのタイプに分けられます。 股関節を動かす種目デッドリフト、RDL、バックエクステンションなど ヒザを動かす種目マシンレッグカール、ノルディックカールなど ハムストリングは4つの部位で構成されていて、「大腿二頭筋の長頭・短頭、半膜様筋、半腱様筋」に分かれます。 この中で、大腿二頭筋の短頭はヒザの動作でのみ働く小さな筋肉です。その他の部位は股関節とヒザ両方の動作に関わっていて、ハムストリングの大部分を占めています。 つまり、理屈上はどちらの関節を動かしてもハムストリングの大部分に負荷をかけられることになります。 では、種目によって効果に違いはないのかという疑問が出てくるわけですが、細かな違いを調べる研究が進められています。...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマは「筋トレができないときのたんぱく質の摂り方」です。 筋トレを長く続けていると、怪我や体調、仕事の都合などでトレーニングができない時期が出てくるものです。 こういうときに筋肉を維持するために、たんぱく質をたくさん摂ろうと意識する人もいるかと思います。 たんぱく質は筋トレ効果を高めてくれますが、筋トレができないときにもたんぱく質が有効なのかは別の話です。 今回はこのことを調べた研究を紹介します。 まず、被験者の片方のヒザを固定し、松葉杖で生活してもらいました。固定したヒザは地面に着けず、まったく負荷がかからない状態です。こんな装具が使われました。 △ ちょっとカッコよくないですか...? そして、たんぱく質の影響を調べるため、多めに摂る人と少なめに抑える人に分けて、脚の筋量の変化を測定しました。 この条件で3日間生活すると、以下のように変化が現れました。 △ たった3日でこの違い...