筋トレ科学:体脂肪率に悩むのはやめよう


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今日のテーマは体脂肪率です。減量するときには気になりますよね。しかし、結論から話すと体脂肪率を正確に測定するのは不可能で、気にしない方が良いということになります。

世の中にはいろんな体脂肪率の測定機器があります。一般家庭では体重計に体脂肪率を測る機能が追加された製品があります。

これは「生体インピーダンス方式」という身体に電気を流すメカニズムを使っています。筋肉は体脂肪より水分が多く抵抗が大きくなるので、電流に対する抵抗を測定すると体脂肪率を推定できるという仕組みです。

しかし、これはあくまでも推定値だというのがポイントです。推定値がどの程度正確なのかボディビルダーを対象に調べた研究では以下のようなズレが報告されています。

グラフは体脂肪率の推定値のズレ幅を示していて、以下の測定方式が比較されています。

① BMI(身長に対する体重)
② 皮脂厚
③ 生体インピーダンス方式
④ DEXA

DEXAというのは最も正確とされる測定機器で研究施設などで使われます。それでも+6%から-4%まで上下に10%ほどの幅でズレています。

どんな方法を使っても正確に測定することはできません。減量中に体脂肪が落ちていても体脂肪率の数値が変わらなかったり、体脂肪は落ちていないのに数値は落ちたりするわけです。

AthleteBodyで減量指導をさせていただくときは、体脂肪率ではなく身体のサイズを測っていただくようにしています。測った数字を記録しておいて、1ヶ月ごとに比べると進捗がよく見えます。

身体のサイズを測るのが面倒で、できるだけ手軽な方が良いという人にとっては、体脂肪率を測るよりズボンのフィット感を比べる方がマシでしょう。

減量中には体脂肪が落ちているか不安になって、頑張りすぎたり、ヤル気をなくしてしまう人が少なくありません。正確に測れない数字に悩むのはやめて、ストレスのない減量生活にしてください。

では、次回のメルマガをお楽しみに!

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