筋トレ科学:自分が挙げられるレップ数わかりますか?


こんにちは、AthleteBodyです!

毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。

今日のテーマは重量設定です。どのくらいの重量をどのくらいの回数挙げられるか、自分で正しく当てられますかという話です。

この問いかけに対して「大して難しくない」と感じる人もいれば、「挙げてみないと分からない」と感じる人もいるかと思います。

このことを調べた研究があり、160人の被験者に対して「本人がベンチプレスで10レップ挙げられると思う重量」を答えてもらいました。

そして、実際にその重量で限界ギリギリまでベンチプレスを行ってもらい、何レップ挙げられるか測定されました。

本人が10レップが限界だと思った重量を使って、実際に10レップで限界を迎えたのは160人中の7人だけでした。

9レップ以下にとどまった人はゼロで、他の人はすべて11レップ以上挙げることができました。また、グラフには含めていませんが21レップ以上挙げられた人は22人もいました。

つまり、大多数の人が自分で想定したよりも多く回数を挙げられたということです。10レップで止まっていれば、ガバガバに余力を残すことになっていたわけです。

筋肥大を目的にトレーニングを行うときは、セット終盤に限界近くまで追い込むことが重要な要素になります。ベンチプレスのような高重量コンパウンド種目であれば、セット終盤に2レップほど余力を残すのがひとつの目安になります。

ちなみに、今回の研究に参加した人はすべて男性で平均体重が81kg、実際にベンチプレスに使った重量は54kg前後が多かったそうです。

この数字から読み取れるのは、体格に対してそれほど筋力が強いわけではなく、トレーニングを始めて間もない人だということです。

筋力や筋量には大きな個人差があるので、挙上重量が大きくないこと自体はまったく問題ではありません。ただ、トレーニングを続けていくと自分の筋力レベルが分かり、どの程度の重量や回数で限界を迎えるか正確に予測できるようになるものです。

言い換えると、効果の高いトレーニングをすると自分の限界近くまで追い込むことになるので、イヤでもだいたいの見当がつくようになります。

今回の研究で分かるのは、トレーニングを始めて間もない人は余力を大きく残せる重量設定をする傾向があるようだということです。

このメルマガ読者の中に、最近トレーニングを始めたという方がいれば、ご自身の重量設定を振り返ってみてください。はっきり分からないと感じられれば、セット終盤に余力を残しているかもしれません。

いつも限界ギリギリまで追い込む必要はないのですが、自分がどの程度まで挙げられるのか把握できれば、いまより効果の高いトレーニングにつながるかもしれません。

ちなみに、AthleteBodyのパーソナルコーチングでプログラムを作成する場合には、各クライアント様の筋力レベルやトレーニング経験に合わせて各種目のセット数、レップ数、どこまで追い込むかまで提案させていただいています。

ご自身のトレーニングを考える材料になれば嬉しいです。

このメルマガが役に立つと感じられたら、ぜひ周囲の筋トレ仲間にご紹介ください。コチラから登録可能です。

では、次回のメルマガをお楽しみに!

AthleteBody.jp

筋力トレーニングや食事管理について科学的根拠に基づく情報を発信をしています。メルマガでは、新しい記事の更新情報やAthleteBodyが提供するサービスに関するご案内をお届けします。

Read more from AthleteBody.jp

こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日はたんぱく質をたくさん摂ると健康リスクがあるかという話です。実は体に悪いのではないかと心配になる人もいますよね。 肉体改造のピラミッド / 栄養編では体重1kgあたり、たんぱく質1.6〜2.6gをオススメしました。結論から言うと、健康な人がこの程度の量を摂るのはメリットの方が大きく、目立ったリスクはありません。 健康リスクと言うと非常に多くの要素が絡むので、網羅しようとすると大変な情報量になってしまいます。今日はギュッと凝縮してご紹介します。 骨を強く保つ たんぱく質を摂ると骨を強く保つことにつながります。わたし達の骨は放っておくと加齢とともに弱っていきます。骨粗しょう症という病気では、骨がスカスカになって折れやすくなってしまうと聞いたことのある人も多いでしょう。 △ 骨がもろく折れやすくなる...

こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は下半身トレーニングで、大腿四頭筋以外の部位をどう鍛えるかという話です。具体的には、お尻、ハムストリング、内転筋が対象です。 △ 鈴木雅さんの太ももが美しい... 今月のボディビル道場セミナーで取り上げたテーマだったのですが、鈴木雅さんを含めた講師3人が同じ答えにたどり着きました。 ひと言にまとめると、メインのコンパウンド種目をやり込むというものでした。ここでメイン種目として名前があがったのは3つでした。 スクワット大臀筋・内転筋(+大腿四頭筋) RDLハムストリング・大臀筋 ブルガリアンスクワット大臀筋・中臀筋・小臀筋(+大腿四頭筋) スクワットは深くしゃがむと内転筋と大臀筋の筋肥大効果が高いと以前のメルマガでご紹介しました。RDLはハムストリングの人気種目としてよく語られます。 ブルガリアンスクワットはどうでしょう。日常的に行っている人は限られるでしょうか?...

こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は「水抜き」に関するお話です。 ボディビルなどの競技では、コンテスト前に水分を制限する人が多くいます。水分を抜くことで身体が締まって見えることを狙ったものです。 肉体改造のピラミッドでは、水分を制限すると筋肉がパンプしにくくなる可能性があるので注意しましょうと説明しました。ひと言で噛み砕くと、筋肉は大部分が水なので水分が不足すると筋肉がしぼんでしまうということです。 △ 本をお持ちの方はP.183へ! 2025年の研究で、実際にこの考え方を裏付けるデータが報告されたので紹介します。 この研究では、軽い脱水状態になるまで水分を制限してトレーニングを行い、筋肉への影響を調べました。 そして、十分に水分を摂れている場合と比べたところ、脚の筋肉の厚みに違いが確認されました。 △ 水分不足で筋肉がしぼむ このグラフでは、水分を制限した場合はトレーニング前から筋肉が薄くなっており、トレーニングのあとも水分の影響が残り続けたことが分かります。...