筋トレ科学:減量中はセット数を減らして良さそう


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今日のテーマは減量中のトレーニングです。トレーニング量によって減量の成果に違いは出るのかという疑問を考えます。

減量中は筋肉を維持するためにトレーニングが重要になります。このことは直感的に分かりやすいですよね。

筋肥大を目的にする場合、トレーニング量が多いと効果も大きくなる傾向があります。しかし、カロリー収支がマイナスの状態では筋肥大が起こりにくくなります。

そのため、減量中でもトレーニングをたくさんやるべきだとする考え方もあれば、たくさんトレーニングをしても減量中に筋肥大は起こりにくいので、量を抑えてもいいとする考え方もできます。

このテーマは、トレーニング目的や減量内容によって無数の答えがあり得るので、絶対的な正解はありません。自分に合わせて答えを出すことが必要なのですが、その参考にできる科学的知見はまだ限られているのが現状です。

今回紹介するのは、このことを直接調べた研究です。

減量中のトレーニーに、トレーニング量の違うプログラムを実践してもらって、効果の違いを測定しました。

下半身のトレーニングはこの内容を週2回行ったので、例えば大腿四頭筋なら1週間に20セットと12セットを比較する形になります。

6週間のトレーニングを終えて、どちらのグループでも大腿四頭筋の筋量に目立った変化がありませんでした。

これは、減量中にトレーニング量が少なくても筋量への効果は下がらなかったと読み取ることができます。

この研究の参加者はある程度のトレーニング経験がある男性で、体脂肪率は18%前後、ゆっくり減量しながらのトレーニングでした。

こういった条件によって減量中の最適なプログラムは変わるわけですが、AthleteBodyの読者さんにはこの研究を参考にできる人が少なくないかと思います。

お仕事をしながらトレーニングをしていて、減量も行うとなると負担が大きくなります。確実にすべてをこなすのが苦しくなる人は重要なものから押さえていくのがオススメです。

減量中の優先順位はこうなる人が多いのではないでしょうか?

  1. 仕事
  2. 体脂肪を落とす
  3. 筋肉を維持する


お仕事と減量のための食事管理の方が優先順位が高い人にとっては、筋肉維持のためのトレーニングは減らしてしまうのが現実的な選択肢になるはずです。そして、今回の研究を踏まえると、筋肉が減ってしまう心配もそれほど大きくなさそうです。

この夏減量を頑張っているというトレーニーの参考になれば嬉しいです。

AthleteBodyのパーソナルコーチングでは、こういった研究結果を踏まえて、個人の目標に合わせたプログラムを提供しています。コーチング枠に限りがありますので、ご興味のある方はリンク先から個別にご相談ください。

では、次回のメルマガをお楽しみに!

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