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こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマは「筋トレを行うと刺激の入らなかった部位で筋萎縮が起こるかもしれない」という話です。 筋トレは種目ごとに対象部位が決まっていて、負荷のかかった筋肉が成長するものです。例えば、上腕二頭筋ならカール、お尻ならヒップスラストで鍛えることができます。 AthleteBodyでもこういう考え方でプログラムを作り、クライアントさまに成果を出していただいています。 ただ、それだけでは身体の変化を捉えきれない可能性が最近の研究で示されました。 この研究では腕と脚のアイソレーション種目を10週間行いました。全身をMRIで撮影し、30部位の筋量の変化を調べたところ、以下のような結果が得られました。 このグラフで青く示したのが主導筋です。今回は腕と脚のアイソレーション種目を行ったので、上腕三頭筋、ハムストリングなどで明確に筋量が増えました。 おもしろいのは黄色く示した部分です。 例えば、縫工筋、薄筋で筋量が増えました。こういった部位は主導筋として扱われることが少ないですが、レッグカールで補助的に働いて筋肥大効果が出たと考えられます。 アイソレーション種目でも補助筋群に効果があるということですね。 そして、グラフ右側に示した部位では筋量が減りました。ここには大内転筋やヒラメ筋が含まれます。 脚の種目はレッグカールとレッグエクステンションだったので、これらの部位には刺激が入らなかったのでしょう。ただ、それだけで筋量が減るでしょうか。 この研究では被験者の食事に関する情報を集めていました。そのデータを分析すると、カロリーとたんぱく質の摂取量が少なかった人において、筋萎縮が見られる傾向があったようです。 この論文によると、筋肉を増やすにはエネルギーが必要なので、十分な栄養がない状態では、負荷のかかった筋肉を強くするために他の筋肉を分解するという反応が起きるのかもしれないと考察されています。 今回のように、トレーニングで使わなかった筋肉の反応まで調べる研究は非常に珍しく、測定や解析の技術が進歩したことで可能になったようです。 新しい視点での研究なので、わたし達の筋トレにどれだけ当てはめられるかは未知数な部分が残ります。 それでも本当に筋萎縮が起きるのだとすれば、特に減量中には対策として、全身に偏りなく刺激を入れるのが良いかもしれません。 他には、一部の女性トレーニーは大腿四頭筋を目立たせたくないと考えることもあります。そういう場面ではあえて刺激を入れないようすると筋萎縮を促すようなこともできるかもしれません。 筋トレはすべて分かったように思えても、こうやって新しい知見が出てくるのがおもしろいですね。 では、次回のメルマガをお楽しみに! |
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こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は運動を始めるキッカケづくりのお話です。 みなさんは運動を始めたいのに動きだせないと感じた経験はあるでしょうか。もしくは、ご自身のまわりにそういう人はいるでしょうか。 筋トレが楽しいという人でも気分が乗らないときはありますよね。健康のために運動しなきゃと思っている人には、実際に行動するのがさらに難しくなりがちです。 そういうとき、どうすれば運動を始めやすくなるかを考える人たちがいます。 今日紹介する研究では、3グループの大学生が対象となりました。 ① ただ運動をするよう指示された人 ② 運動の健康効果について勉強した人 ③ 勉強のあと具体的な運動予定を立てた人 ここで言う運動の効果とは、心臓病を予防するために運動が役立つという内容でした。運動するメリットを知るという意味では、このメルマガを読んでもらうのも似ているかもしれません。 運動予定とは、「曜日・時間・場所」を指定して、運動すると決めてしまうものです。...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は増量期のトレーニング量についてお話しします。 だんだん涼しくなってきて、増量期に入った人も多いかと思います。 筋肥大を目的とする場合、トレーニング量が特に重要になります。基本的にはトレーニング量が多い方が筋肥大効果も大きくなります。 ボディビルなどの世界で活躍する選手を見ると、ものすごい量と強度のトレーニングをこなしている話がたくさん出てきます。 これに関する新しい論文が2024年に発表されました。筋肥大効果を高めるためにどの程度のセット数が必要かを分析し、以下のような結果が報告されました。 △ 1週間あたり部位ごとのセット数 4セットから筋肥大効果が確認され、セット数が増えると効果も大きくなりました。 ただ、セット数を増やすと効果が直線的に伸びてくれるわけではありません。 上の表の数字を見ると、筋肥大効果を2%から6%へと3倍にするには、セット数は4.5倍必要で、効果を5倍にするには10.5倍のセット数が必要ということになります。...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日はデッドリフトのバリエーションについてお話しします。 ヘックスバーというトレーニング用品をご存じでしょうか。六角形のバーベルで、主にデッドリフトに使われます。トラップバーと呼ばれることもあります。 ヘックスバーを使ったデッドリフトでは、自分が六角形の中に入ってウェイトを引き上げます。 通常のデッドリフトとの一番の違いは「身体に対するウェイトの位置」です。 通常のバーベルではウェイトが身体の前に来るのに対して、ヘックスバーでは身体の横に来ます。これによって負荷のかかり方が変わります。 通常のバーベルとヘックスバーでデッドリフトを行ったときの負荷のかかり方を比較した研究があり、以下のような結果が報告されました。 △ ヘックスバーはヒザを使う どちらのデッドリフトも股関節と脊柱に大きな負荷がかかり、ここには大きな違いがありませんでした。明確な違いが出たのはヒザで、ヘックスバーでは通常のバーベルより負荷が大きくなることが分かりました。...