毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマは内臓脂肪と健康です。筋肉を増やすために増量をするトレーニーには特に気にしてもらいたいお話です。 筋肉を付けるには、カロリー収支をプラスにすると効率が上がります。ただ、ほとんどの場合で筋肉だけでなく体脂肪も増えることになります。 体脂肪が増えると腹筋が隠れてしまうのが気になると思いますが、お腹まわりの体脂肪は健康にも影響を与えます。 体脂肪には大きく分けて「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があります。減量するとどちらも減って、増量するとどちらも増えます。 内臓脂肪は文字どおり内臓に蓄積される脂肪で、これが多くなると糖尿病、脂肪肝といった生活習慣病のリスクが高くなります。 病気を避けるには増量期に太り過ぎないことが大切です。ただ、そうは言っても筋肉を増やすために増量は必要ですし、どこまでならOKなのか判断に困りますよね。 健康診断に行くと、お腹まわりのサイズやBMIの数値に基づいて、お医者さんから「ヤセなさい」と注意を受けた経験のある人もいるかと思います。 トレーニーの場合、ここで話を難しくするのが筋肉です。BMIは体重に基づいて計算されるので、筋肉の多い人は腹筋が見えている状態でも肥満と言われてしまったりします。これでは役に立ちません。 お腹まわりのサイズも内臓脂肪の量を大まかに推定する程度で、あまり頼りになりません。また、身長の高い人はお腹まわりのサイズも大きくなるので、ひとつの基準をすべての人に当てはめるのに無理があります。 そこで使えるのが「腹囲と身長の比率」です。お腹まわりのサイズを測って身長で割るだけなので、普通の人が手軽に求めることができます。 例えば、身長170cmの人が腹囲85cmであれば比率は0.5となります。 この腹囲身長比と寿命の関係を調べた研究があります。イギリス国民の健康状態について数十年にわたって調査したデータを分析したところ、腹囲身長比が高い人は明確に寿命が短いという関係が見られました。 このグラフは30歳の男女を対象としています。男性の方が肥満による影響は深刻になりやすいようで、腹囲身長比が0.8になると、寿命が20年以上短くなってしまうという推定です。 この研究の論文では0.5を目安として、0.6では生活改善を検討するように勧めています。身長170cmなら腹囲85cmまではOKで、100cmほどになると要注意という数字です。 ちなみに、内臓脂肪を正確に測るにはCTスキャンなどの検査が必要です。さらに、生活習慣病そのものは血液検査などで調べるものです。 つまり、腹囲身長比ですべてが分かるわけではありません。それでも、いつでも自分でチェックできるものなので、ぜひ増量中に意識してみてください。 せっかくのフィットネス生活が知らないうちに健康を壊してしまうことのないよう、役立ててもらえれば嬉しいです。 では、次回のメルマガをお楽しみに! |
筋力トレーニングや食事管理について科学的根拠に基づく情報を発信をしています。メルマガでは、新しい記事の更新情報やAthleteBodyが提供するサービスに関するご案内をお届けします。
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマは「関節を動かさないトレーニング」です。 △ 動かさないトレーニング 筋トレでは通常、関節を曲げ伸ばししながら筋肉に負荷をかけます。そして、筋肥大を目的にする場合、関節をできるだけ大きく動かした方が効果が大きくなることが多いです。 だからこそ、深くしゃがみ込むフルスクワットなどが勧められるわけですが、関節をまったく動かさずに静止するタイプのトレーニングも存在します。筋トレ用語では「アイソメトリック」と呼びます。 例えば、プランクや空気イスが関節を動かさないトレーニングにあたります。筋肥大を目的にする場合にはあまり人気がありませんが、だからと言って効果がないとは限りません。 このことを調べた研究では、レッグエクステンションを使って比較が行われました。 片方の脚はヒザを動かせない状態で強い力を出すだけのトレーニングを行い、もう一方の脚は負荷をかけてヒザを90度曲げ伸ばししました。 12週間のトレーニングで、結果は以下のようになりました。 △...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日は減量後の食事管理についてお話します。 最近のボディビル道場セミナーでこのテーマを取り上げました。そして、それに関連して、Xでアンケートを行いました。 △ 減量後の過ごし方は人による コンテスト選手に限らず、減量でしっかり体脂肪を落としたあとは、できるだけ体形を維持したいと思うのは自然なことでしょう。ただ、人によっては厳しい食事制限から解放されて自由に過ごしたい気持ちになるのも理解できます。 このあたりは各個人の気持ちの部分が大きいですが、客観的に見たときにベストな選択はあるのでしょうか。 AthleteBody的にオススメしたいのは、体脂肪をほどほどに戻すスタイルです。 肉体改造のピラミッドでは、ギリギリまで絞ったあとは1〜2ヶ月で体重を5〜10%ほど戻すくらいをオススメしました。ガチガチである必要はないですが、迷ったらこの数字を目安にしてください。(本をお持ちの方はP.205をご参照ください。)...
こんにちは、AthleteBodyの八百です! 毎週金曜日、フィットネス関連の情報をお送りしています。ぜひお付き合いください。 今日のテーマは「筋肥大しにくい体質とトレーニング量の関係」です。 △ 筋肥大には才能が関わる 筋肉を付けたいと思って筋トレを頑張っているけど、なかなか身体が変わらないと感じている人はいるでしょうか。 身体の変化をどう感じるかは主観的なもので人それぞれですが、筋肥大には生まれ持った体質が影響します。人によって才能の差があるということです。 このことは科学的にも示されています。 例えば、上腕二頭筋のトレーニングを行った研究では、筋量の伸びに大きな個人差が確認されました。 △ まったく同じトレーニングを行った結果 12週間のトレーニングで、上腕二頭筋の断面積が59.3%大きくなった人もいれば、少し小さくなってしまった人もいました。 トレーニングの内容は同じなのに、どんどん成果が出る人と、ほとんど変化が出ない人がいたわけです。 このデータを見ると「目に見える結果が出ていない人は、それが努力不足とは限らない」とよく分かります。...